2011-04-14

世界チャンピオン

いろんな世界チャンピオンがいます。
僕の知人でも様々な世界でTOPを目指して努力してる人が大勢います。

でも今回お会いした井上真悟さんは、本当の世界NO1をとって表彰台にのった人です。
何の世界一かというとなんと。。。ウルトラマラソン。ウルトラマラソンという競技を知らない人のために。。。ウルトラマラソンは100Km以上や長時間走り続けるのマラソンの総称。なんと井上さんは24時間走り続ける競技の世界チャンピオン覇者。24時間走り続けで273.5Kmを走りぬいて大会新記録で優勝したそうだ。



僕も過去にフルマラソンに挑戦したことがあるので、走ることの楽しみと苦しみはちょっとだけ知っているつもりだ。ところが、お会いして話してみると、
マラソンだけでなくそれ以外でも、ギリシャのスパルタスロン(250Kmを一昼夜掛けて走る)で世界9位。サハラ砂漠横断マラソン(220Kmの砂漠を走る)で世界27位(日本人1位)で完走。などなど凄いレコードの連続だ。

今はRUN-ALIVE代表としてプロ活動をしている
なぜ走り始めたのか、これまでの想いとこれからの夢についてゆっくりお話させていただいた。

小さいころから走ることが好きな少年。でも家庭内で暴力を振るう父親が嫌いで一日も早く家を出ることばかり考えていた。そして自分が自分らしく表に出ることのできる仕事をと探偵になった。しかし、そこには自分の憧れた推理力を働かせていくような仕事はまったくなく、
理想とは遠く掛け離れた世界。お金に絡むトラブルでの尾行などが続く仕事の中で、裏の社会とのつながりが必然的にできてしまった。自分でコントロールできない世界にどっぷりつかってしまった。ある日ある事務所で軟禁状態になったとき弁護士が救いに来てくれた。
それは家族が差し向けてくれたものだった。あまりに情けなく、虚しく、自分自身から逃げたいと。いつも組織が追って来るような気がして、地方の職を転々とするしかなかった。

そんな中で好きな女性ができた、何気ない会話の中で、あなたの得意って何?と聞かれ、子供の頃の楽しかった走る事を思い出した。付き合ってもいないのにこの人を幸せにしたいという想い。そんな中で彼女の地元でマラソン大会があることを知る。そうしている間に彼女は転勤・・・大会でいい成績を残せばまた会えるかもしれないとの思いで走り始めた。
しかしなかなか結果が出ずにいた。

そんな中、憎んでいた父親が亡くなる。なんで償いもせずに死んでしまったの?身勝手すぎると、悲しみよりも悔しさを感じる自分。

彼女にも会えず、父親への感情も重なって、本当に自分自身を見失ってしまった。
そんな中で、ある大会で知り合った人に、子供の陸上競技のコーチをやらないかと誘われて、初めての経験でもあり不安もあったが、一人で走る意味を見失っていたので快諾することにした。

そこでコーチをしている中で、子供の素直な笑顔、一生懸命さに触れて、
自分がやりたいことを明確にすることができた。走ることを目的ではなく、手段として誰かに夢を届けてあげる。その思いから、走って子供たちや、障害を持つ人の施設にいって励ますチャリティー企画を始めた。「地球のカケラを世界に届けに」というキーワードで2008年より活動を開始。走って会いに行くという原始的な手段だからこそ、誰にでもできて、楽しさも伝えられる。走ることは、動物の本質の能力。だから走ることは素直に楽しいし、マラソンは嘘をつかない。だから今後も、走ることで生きる希望を子供達に伝えていきたいと思っている。

と、簡単な話をまとめさせていただいた。僕が応援している栗城さんも彼女にふられて山登りを始めたそうだ。今回の井上さんも彼女が原因だ。やっぱり人生を乗り越えるのは彼女を作って、フラれるのが必要なのだろうか?

ちょうど2011年4月1日から11日にかけて、第26回サハラマラソンが開催された。そのダイジェスト映像をどうぞ。



東北太平洋沖地震で大変な思いをされているみなさん。
想像を超えた困難にいま向き合っていると思います。ですが、必ず力を合わせていけば乗り越えられます。昨年のサハラマラソン完走者の最高齢は73歳日本人!! どうぞ希望を捨てずに一緒に頑張りましょう。